• 6月 24, 2025

熱中症に関して

本年は6月中旬頃より気温上昇を認めています。大東市でも現時点で30℃近くの気温および湿度が高い状況です。これから7月、8月と気温上昇していき、猛暑となることが予想され、当院でも軽度の熱中症様症状の方の受診が少し増えてきている印象です。熱中症にならないように予防やなった際の対処に関して知識を身に着けておくことが重要と考えます。

「熱中症」とは日射病や熱射病などの総称です。

まず、人の体温を調節するメカニズムとして2点あります。

①皮膚表面から空気へ熱を放出し、体温の上昇を抑えます。

②汗が蒸発するときに熱を奪うはたらき(気化熱)を利用して体温を下げます。 

①のメカニズムは体温よりも気温が低い時に皮膚から空気中へ熱が移りやすく、体温の上昇を抑えることができますが、夏の時期のような気温が体温より高い状況や体温に近い状況では空気中への熱の放出が十分に機能できなくなるため、体温調節は②のメカニズムによる発汗に頼ることになります。しかしながら、夏の時期は湿度も高いことから、汗をかいても流れ落ちるばかりでほとんどが蒸発できなくなります。そのため、発汗による体温調節が機能しにくくなり、熱中症が起こりやすくなります

熱中症の症状

  • 軽度:めまい、立ちくらみ、筋肉痛、こむら返りなど
  • 中等度:頭痛、吐き気、嘔吐、倦怠感など
  • 重度:意識障害、言動の異常、痙攣、体温上昇(体にさわると熱い)、ショック症状など

軽度~中等度の症状の場合はまず、日陰や冷房の効いた涼しい場所へ移動しましょう。そして経口補水液やスポーツドリンクなどにて水分補給し、冷水で濡らしたタオルなどで手首や首筋やわきの下に充てて冷やしてください。衣服は汗で濡れている場合は脱いで汗を拭き、乾いた通気性の良い服に着替えてください吐き気・嘔吐のある場合や症状改善ない場合は十分な水分補給が出来ていない可能性もあるため、医療機関受診の上、点滴での補液が望ましいです重症の症状が有る場合は速やかな治療が必要となるため、救急要請をしましょう。

予防としてこまめに水分摂取を行うことは当然で、スポーツドリンクや麦茶、塩飴などを利用しながら塩分もこまめに摂取することが重要です。また、体調を整える意味でも1日3食の食事と睡眠を十分にとることも重要です。場所や服装なども大事です。高温・多湿下に長時間とどまることはなるべく避けるほうが望ましく、服装に関しては通気性の良い服を着て、外出時には帽子をかぶることが望ましいです。

熱中症に関しては予防をすることで防げる可能性が高くなります。室内にいる状況でも起こりうることはメカニズム上もありうるため、こまめな水分補給を意識するようにしましょう。症状が改善しない際は自己判断をせずに医療機関受診をすることで重症化や再発を防ぎやすくなると考えます。この夏は熱中症予防を意識して猛暑を乗り越えていきましょう。

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