- 6月 1, 2025
便潜血陽性に関して
便潜血陽性とは、便の中に微量な血液の成分が含まれている検査結果です。そのため、便潜血陽性の場合は大腸カメラを受けることをお勧めします。
便潜血陽性にて大腸カメラを行った際に多い検査結果としては
①内痔核
②大腸ポリープ
③大腸癌
などがあります。
内痔核は肛門の内側の痔でもあり、疼痛などはなく、軽度であれば症状がほぼないため、御自身での存在の有無はほぼわかりません。トイレットペーパーに血液がたまに少量付着することがある場合は内痔核の可能性もありえます。症状が有る軽度~中程度の痔核は軟膏・坐剤注入での治療可能なことが多いですが、重度や症状の強い方は肛門科・外科での専門的な加療を要することもあります。
大腸ポリープは癌化のリスクがある腺腫とういうものがあります。表面上は腺腫に見えても、腺腫の中に癌成分が含まれていることもあります。腺腫である内に切除することが大腸癌リスクを減らすことができます。
大腸癌に関しては他臓器の癌と比較して進行は比較的緩徐な傾向ではありますが、進行し、進行大腸癌の場合、外科的治療や抗がん剤治療を要す上に、放置した場合、貧血や腫瘍の増大に伴う便秘や閉塞(腸閉塞)、各種臓器への転移の可能性が起こり得ます。早期の段階であれば、ほとんどが大腸カメラでの内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)での切除が可能です。
以上のことからも、便潜血陽性の場合は大腸カメラを受けることが望ましいと考えます。何の症状もないからと放置は望ましくありません。検査結果陽性にて検査迷われている方は当院へ一度御相談頂けたらと思います。