• 9月 5, 2023

ピロリ菌に関して

ピロリ菌とは胃の中に住み着いている菌で、正式名称はヘリコバクター・ピロリ菌といいます。

ピロリ菌は幼少時いろいろなものを口に入れてしまう頃、衛生環境、特に飲み水など(昔は井戸水など)から入ることで感染します。幼児期の感染では母から子への家庭内感染が疑われていますので、大人から子供への食べ物の口移しなどには注意が必要です。

ピロリ菌が胃の中に住み着くことによって、慢性的な胃炎(萎縮性胃炎)が起こりますが、胃炎そのものの症状はなく、多くの場合が無症状です。しかしながら、ピロリ菌がいる場合は胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胃癌などのリスクが高くなります。胃癌の発症原因で最も多いのはピロリ菌とも言われています。そのため、ピロリ菌陽性である場合などは年齢や体の状態などにもよりますが、除菌治療が勧められます。

除菌治療を行う前には、胃カメラによる胃がんの除外の他、萎縮性胃炎の診断が必要になります。その上で除菌治療を行います。また、除菌成功後、年1回の胃カメラによる経過観察を行うことが重要です。 なぜならば、除菌後10年以上の経過観察にて発見された胃がんの報告例もあることから、除菌にて胃がん発生率は限りなく低下しますが、ピロリ菌未感染の方に比べると除菌後の方はリスクは少なからず高いと言えます。

健診などでピロリ菌陽性と言われたことがある方や両親にピロリ菌陽性の方がいらっしゃる方などは当院にご相談ください。

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