• 4月 25, 2025

帯状疱疹ワクチンの公費接種に関して

今年度より65歳以上の人(一部経過措置として70歳以上で5歳刻みの年齢の方も)を対象に、帯状疱疹ワクチンの接種費用の一部が公費で助成されるようになります。大阪府大東市では、この定期接種制度が適用されます。適応年齢の方は自宅に接種券が送付されております。

※対象となる方は今年度のみ公費の対象となるため、ご注意ください。

ワクチンに関して

ワクチンを接種することで、帯状疱疹の発症率を下げ、重症化を防ぎ、帯状疱疹後神経痛(PHN)を予防する効果が期待できます。

予防効果に関してはデータ上、シングリックス(組換えワクチン)がビケン(生ワクチン)よりはるかに優れております。

ビケンの発症予防効果は約50%程度とされ、帯状疱疹後神経痛(PHN)の発症を3分の1に抑えると言われています。

一方で、シングリックスの発症予防効果は50歳以上の人で約97%、70歳以上の人でも90%程度と報告されています。帯状疱疹後神経痛(PHN)に関しても88%と高い予防効果が示されています。
また予防効果はビケンは5年程度持続し、シングリックスは10年以上持続すると報告されており、免疫持続の面でもシングリックスが優れております。

帯状疱疹に対する効果生ワクチン組換えワクチン
接種後1年時点6割程度の予防効果9割以上の予防効果
接種後5年時点4割程度の予防効果9割程度の予防効果
接種後10年時点7割程度の予防効果


※ビケンは生ワクチンのため、免疫不全状態の方やステロイドなどの薬を内服中の方などの一部の方々は接種していただくことができません。


価格、接種回数に関してはビケンの方がコストを抑えることができ、接種回数も少ないです。
ビケンは接種回数が1回で、値段が公費適用にて4200円(自費だと9000円)となります。
シングリックスは接種回数が2回で、値段が公費適用にて1回の接種あたり10800円、2回で計21600円(自費だと1回22500円、2回で計45000円)となります。
1回目と2回目の接種間隔は2ヶ月で、遅くとも6ヶ月以内に接種する必要があります。

※四条畷市在住の方も当院にて接種可能ですが、負担額が大東市とは異なります。詳しくは送付された接種券を御参照ください。


新型コロナウイルスワクチンで副反応が注目されていますが、帯状疱疹ワクチンも一定の副反応が想定されます。
ビケンもシングリックスも注射を打った部分の腫れが生じることがあります。
一般的にシングリックスの方が打った部分の痛みや腫れが強いと言われています。
副反応は基本的に3日から1週間以内にはおさまる一時的な症状です。

主な副反応の発現割合生ワクチン組換えワクチン
70%以上疼痛*
30%以上発赤*発赤*、筋肉痛、疲労
10%以上そう痒感*、熱感*、腫脹*、疼痛*、硬結*頭痛、腫脹*、悪寒、発熱、胃腸症状
1%以上発疹、倦怠感そう痒感*、倦怠感、その他の疼痛

*:ワクチンを接種した部位の症状   

以上のことからも費用対効果を考えるとシングリックスでの接種が望ましいと当院では考えております。もちろんビケンでの接種も可能です。迷われておられる方も多いかと考えますので、一度当院へ御相談ください。

また、公費にてシングリックスを接種希望される方は2026/3末までに2回目接種を終える必要があるため、少なくとも1回目を2026/1までに接種する必要があるため、ご注意ください。

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