- 10月 4, 2025
便に血が混じる、トイレットペーパーに血が付く、便が黒い
便に赤い血液(鮮血)が混じる場合や赤黒い便を血便、便が黒い場合(タール状、墨汁様)を黒色便(下血)と言います。
血便の場合は下部消化管(大腸や肛門)からの出血を考えます。大腸癌や憩室出血や何らかの要因に伴う大腸の粘膜からの出血(虚血性腸炎や炎症性腸疾患などの腸炎など)や痔からの出血が原因のことがあります。トイレットペーパーに血が付くのみの場合は内痔核からの出血が大半ではありますが、大腸に治療の必要な病変が確実にないということは大腸カメラを行わないと証明できません。大腸カメラを受けることによって、大腸癌が見つかる可能性があることはもちろんですが、偶発的に大腸ポリープが見つかることもあることに加え、大腸癌ではなかったということがわかるというメリットもあります。今までに検査を行ってきた中で血便は前からあったが、痔であろうと放置をしてきたという方に検査を勧めさせて頂き、大腸カメラにて大腸癌が見つかった方も少なからずおられます。一度でも血便があった際は念のため、大腸カメラを受けることをお勧めします。
黒色便の場合は上部消化管(食道や胃や十二指腸など)からの出血を考えます。胃潰瘍・十二指腸潰瘍や食道静脈瘤、胃癌などが原因のことがあります。黒色便に関しては必ず胃カメラを受けることをお勧めします。黒色便かどうか判断迷う際はイヤかもしれませんが、スマートフォンや携帯にて写真をとり、医師に相談することをお勧めします。
伝えたい点としては日ごろから便の色をよく見る習慣を心掛けていただきたい点とあの時に検査を受けていればという状況にならないように自己判断をしないようにしていただきたい点です。もちろん、年齢や背景や状況から検査を強く勧めないこともありますが、生命や日常生活にかかわる疾患は癌だけでないので、できる限り、検査を受けることをお勧めします。